国内トップブランド飲料工場のサニラインのケーススタディ
IP69Kの認証はベアリングが停止した状態で行いますが、以下の事例では稼働していても防水性が非常に高いことを実証されてます。以下のレポートは某飲料工場の2024年6月の社内報告書の一部を使用させて頂きました。
2021年4月: 異物検査機設置に伴うコンベア更新工事で散水等の影響を考慮し当該部のベアリングをA社製ステンレス製軸受ユニットに変更する。
A社製ステンレス製角フランジ形ユニット、内径40ミリ カバー付き。コンベアフレームとの間にNBR製ラバープレート有り。
2021年7月: コンベア駆動軸のベアリング不良により故障停止。軸受に大量に水がかかったことが故障の原因と考えられる。水がかかることは想定されており耐食性の高いA社製ステンレスベアリングユニットが使用されていたが約4ヶ月程度で故障した。
停止時間:約200分 この際はA社製同製品で復旧。
推定原因:散水及びコンベア上の水分が飛散、設備洗浄時の泡や湯がかかり、ベアリング内部に水分が侵入し内部グリスの劣化及び流出により油膜が切れたと思われる。取り外されたベアリングは完全にロックしている状態であった。
A社の担当者とも協議したが有効な対策は提示されなかった。
2022年1月: COC製サニラインシリーズと交換 OCSF208
この時取り外したA社製軸受はグリスっ気が無く、手で回すとゴリゴリする感触があった。
2024年5月: 18ヶ月以上使用しているが故障発生なし。空運転時に聴診器で点検、異常なし。
実機試験結果の補足:
2022年10月に約10ヶ月使用したCOC製サニラインシリーズの軸受を外してシール部を外しての点検結果について
外側のスリンガを外した。シールとシールの間に封入されているグリスはしっかりと残っており、水の侵入もなかった。
内側のシールを取り外して軸受内の点検を実施。水の混入はなくグリスも十分な量が残っていた。
評価:
設置後4-5ヶ月で故障及びその兆候が見られたA社製ステンレス軸受ユニットと比較し、現時点で5倍近い寿命を記録している。設置後、約10ヶ月使用した物の解放点検結果も良好。
防水性に優れ、環境の悪い中でも長期間の使用に耐えており、再発防止対策としての有効性は高いと評価できる。COC製軸受の優位性が確認出来たため、当該コンベア以外のコンベアの軸受けにも順次展開中。
効果のまとめ:
1. 故障停止時間削減: A社製軸受を使い続けることを仮定すると4ヶ月程度での停止リスクを抱えたまま製造することになるが、COC軸受に交換後2年以上当該部品の故障停止なし。
2. 労働時間削減: 交換作業にかかる人員と時間を実績から3人X3時間とし、4ヶ月毎の交換で年3回当該作業を実施すると3 x 3 x 3=27Hを削減出来た。
3. 計画外修繕費削減: 作業自体が減れば、労働災害(怪我)のリスクも低下する。